キーボードを見ながら、人差し指で一つずつキーを探して打っている。
もう少し速く入力したいと思って練習を始めても、慣れた打ち方に戻ってしまう。
そんな状態からタッチタイピングへ移るとき、最初から10本の指で全部のキーを覚えようとする必要はありません。
まず必要なのは、指が帰ってくる場所を決めること。そして、少ないキーから少しずつ、指の動きを覚えることです。
一本指で打ってきたことは、失敗ではありません
一本指や少数の指でも、文章を入力することはできます。現在の打ち方で困っていないなら、見た目だけを理由に無理に直す必要はありません。
ただし、次のような場面が増えてきたなら、打ち方を見直す意味があります。
- 文章とキーボードを何度も見比べてしまう
- キーを探すたびに入力が止まる
- 同じキーを、そのとき近くにある指で打っている
- 一文字打つと、次に指を置く場所が分からなくなる
- 長い文章を入力すると、手や目が疲れやすい
直したいのは「一本指であること」そのものではありません。
目標は、キーを一つずつ探す時間を減らし、次の文字へ迷わず移れるようになることです。
最初から全部のキーを覚えようとしない
タッチタイピングを始めるとき、キーボード全体の図と、それぞれのキーを担当する指の一覧を見せられることがあります。
もちろん、標準的な指使いを知ることは大切です。しかし、初日から全部を同時に覚えようとすると、キーの位置、使う指、画面の文字を一度に考えることになります。
これでは、入力するたびに頭の中が忙しくなってしまいます。
最初は、使うキーを少なくして構いません。覚えたキーだけを確実に打ち、そこへ新しいキーを一つずつ加えていきます。
速さを競うのは、そのあとです。
まずはFとJを、指の帰る場所にする
多くのキーボードでは、FとJの表面に小さな突起があります。
左手の人差し指をF、右手の人差し指をJへ置いてください。キーボードを見なくても、指先で突起を探せます。
そこから左手をA・S・D・F、右手をJ・K・L・;へ置いた状態が、ホームポジションです。
大切なのは、指を置いたまま固めることではありません。
キーを打つために指を動かし、打ち終わったら基準の位置へ戻す。その往復を繰り返します。
指が戻る場所を見失わなければ、次のキーを探す範囲が小さくなります。一本指入力から移るときは、まずこの「帰る場所」を作ることから始めます。
「キーの場所」ではなく「指の動き」を覚える
たとえば、キーの位置を図で見て覚えても、実際に文章を入力すると指が止まることがあります。
知識として場所を知っていることと、考えずに指を動かせることは同じではないからです。
そこで、キーの名前だけを繰り返すのではなく、覚えたキーで打てる日本語の言葉を使います。
一つの言葉を打つたびに、ホームポジションから指を動かし、また戻す。別の言葉でも同じ動きを使う。これを繰り返すことで、キーの位置だけではなく、言葉に対する指の動きを練習できます。
目指すのは、頭の中で一文字ずつキーを探す状態から、言葉を見たときに指が続けて動く状態へ移ることです。
練習中に遅くなっても、慌てなくて大丈夫です
自己流の打ち方には、これまで使ってきた時間があります。慣れている方法をいったん止め、新しい指使いで打てば、最初は以前より遅くなることがあります。
そこで速さを取り戻そうとすると、元の一本指入力へ戻りやすくなります。
練習中は、次の順番で確認してください。
- 指をホームポジションへ置けたか
- 決めた指で、ゆっくり正確に打てたか
- 打ったあと、指が基準の位置へ戻ったか
- 次のキーを探すために手元を見なかったか
速さではなく、「迷わず戻れた回数」を増やすイメージです。
普段の作業をすべて練習に変える必要もありません。まずは短い時間だけ、新しい指使いに集中するほうが続けやすくなります。
標準の指使いは、出発点として使う
タッチタイピングでは、どのキーをどの指で打つかを決めた標準運指があります。初心者が指の動きを整理するための、分かりやすい出発点です。
まずは標準運指で練習してみてください。
ただし、最終的な目的は、指定された指を100%守ったと証明することではありません。手の大きさや指の動かしやすさには個人差があります。
基準にしたいのは、打鍵後にホームポジションへ戻れるか、そして次の入力で指が迷わないかです。
標準運指で始めたうえで、どうしても打ちにくいキーがある場合は、十分に慣れてから自分に合う動きを考えます。最初から毎回違う指で打つよりも、まず一つの動きを安定させることが大切です。
基本の指使いをどこまで守ればよいか迷ったら、「タッチタイピングの指使いは絶対? 標準運指とホームポジションの考え方」で、練習中の判断基準を確認できます。
一本指入力から移るための、最初の練習
今日から始めるなら、次の順番で十分です。
FとJの突起を、見ないで探す- 左右の人差し指を
FとJへ置く - ほかの指をホームポジションへ添える
- 少数のキーだけを使い、ゆっくり打つ
- 一打ごとに、指が戻ったか確かめる
- 覚えたキーで打てる短い日本語の言葉を練習する
全部のキーを覚えてから文章を打つのではありません。
覚えた指の動きを言葉の中で使いながら、少しずつ打てる範囲を広げていきます。
説明の続きを、指で確かめてみてください
ここまで読んだら、まずFとJに人差し指を置いてみてください。
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